オフィストヨオカ講師 豊岡厚恵の更新情報

素晴らしい接遇者に会いました

母の検査のため大きな病院に行った時のことです。

エコー検査の受付の女性スタッフの「気働き」(目配り、気配り、心配り)
の素晴らしさ、「接遇力」に心が温かくなりました。

「接遇」を生業としている私にとって
受付にいた女性スタッフの何に
感動したのか、「素晴らしい」と思えたのか、なのですが

待合室で母の検査を待っている時の話です。

エコー検査の受付窓口は
その女性スタッフがお一人だけでした。

検査に来られる患者に対しての親切で優しい対応が半端なく、

少し足がお悪い患者さんが歩いて来られたら

さっと立ち上がって、

窓口から離れているにも関わらず、
「ゆっくりでいいですよ〜」
と優しく声をかけられたり

別の患者さんに説明をしている時に
その患者さんが耳が遠いと分かったら、

瞬時に「声の大きさとスピード」を変えられ
ゆっくり丁寧にご説明をされるんです。

また、
早くから待合にいた1人の患者さんの元へ行き、
「11時の患者さんがいらっしゃいましたので、
申し訳ないですがもう少しお待ちいただけますか?」

と、笑顔で優しい物言いで声かけをされているんです。

その患者さんは予約時間より随分早く到着されたようで、
その患者さんにこのような
配慮ある声がけをされているんですね。

言われた患者さんは、笑顔になり大きく頷いていらっしゃいました。

その患者さんは
「まだですか?」などと聞いていたわけではないんです。

しかし、
まさに、先読みのできる
「この患者さんの立場に立つからこそできる」
配慮ある応対でした。

この一言があるだけで、
その後の気分、待ち時間が変わります。

この受付スタッフの女性は
目の前にいる患者さんに対してだけではなく、

それを聞いたり見たりする他の患者やそのご家族にも
穏やかで優しい気持ちを与えていらっしゃるのです。

実は、その思いやりある対応は
付き添いの私に対しても、でした。

駐車場が満車で、ひとまず仮に止めさせてもらって母を連れてきたこと伝え、
すぐに車を動かしに行くことを告げると、

「満車だったのですね、申し訳ございません。
お母様のことは大丈夫ですので気をつけて行ってらっしゃいませ」と。

そんな言葉が出てきたことに、まずは嬉しさと驚きが入り混じり、
安心して母を置いていけました。

教えてもなかなかそのような言葉は出てこない
相当な上級者です。

そして、車を駐車して急いで戻ると、
私を見つけるや否や 私のもとにやってきて

「今お母様は検査室に入られていますので」

とわざわざ言いに来られるんです。

本当に心を穏やかにしてくれる
素晴らしい「接遇者」でした。

接遇で人を感動させ、安心させ、穏やかにさせてくれる。

まさに人間力の高い女性スタッフがこの病院の価値を高めていました。

患者のみならず付き添いのご家族にまで配慮ある対応をされた
この受付スタッフに、心からお礼を言ってその場を後にしました。

余談ですが、
そのあと、放射線科に移動したのですが、
正反対の体験をしました。

先ほどの受付の方が素晴らしかったので、
その気持ちよさのまま、受付に到着。

受付で
「こんにちは、お願いします」とファイルを出しましたが
挨拶もされずにファイルを受け取り、
「血圧測ってお待ちください」と事務的な対応。

この正反対の差にちょっと笑ってしまいました。

受付の方の対応一つで
その後の患者さんや、
付き添いのご家族の気持ちや過ごし方が変わる。

受付表を出して処理するだけなら、
「人」がいなくてもいいのです。

しかし、なぜロボットではなく、
「人」(受付スタッ)がいるのか。

意識の持ち方次第で仕事が変わります。

意識次第で相手も自分も嬉しく幸せな気分になれる。
そんな人がたくさん増えて欲しい。
という気持ちで接遇研修をしています。

全ての病院や医院、クリニックなどにも、
このような受付の女性がいてくれると
きっと患者さんで溢れることでしょう。

作業、業務から、人に感動を与える「接遇」へ。
人に幸せな気持ちを与えることができる。
人を思いやる仕事ぶりで、お互いが幸せな気持ちになれる。

それはどんな仕事にも当てはまることですね。

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最後までお読みくださりありがとうございました。