今話題のコーチング研修とは何か。その背景を分かりやすく紐解きます。
私は”お客様に愛され、喜ばれる人材になる”をコンセプトに、多くの企業や団体でマナー研修等をさせて頂いていますが、その中で、経営者やマネージャーの皆様からよく聞かれるのが次のようなお悩みです。
- 社員の多くは上司からの指示を待っているだけで、自分で考えて行動しようとしない。
- Z世代を中心とする若手と、どのようにコミュニケーションをとったら良いのかわからない。
- 次世代のリーダーが育たない。
- 管理職になりたがらない社員が増えている。
- 社員に自分の考えが伝わっていない気がする。
- 若手が会社に定着しなくなっており、早期に退職する人が増えている。
これらの悩みを解消するためには、従来型のいわゆる「教える研修」だけでは難しくなっています。
そこで現在多くの企業で導入が進んでいるのが「コーチング研修」や「コーチングを用いた1on1ミーティング」です。
コーチングとは、対話を通して、メンバー・部下の可能性を最大限引き出し、メンバー・部下のありたい姿に近づくようサポートしていくものです。
長年にわたり、官庁や公的機関をはじめ、大企業から中小企業まで幅広い団体や企業に対して、東京を中心にコーチング研修を提供している株式会社コーチビジネス研究所の代表の五十嵐久氏は次のように言っています。
「マネジメントやリーダーシップのあり方は、従来の『管理型・支配型のリーダーシップ』から『支援型リーダーシップ』『サーバントリーダーシップ』が求められています。『上司が命令し、実行するのは部下』という考え方は、もはや通用しなくなっていることに気づく必要があります。
マサチューセッツ工科大学のダニエル・キム博士が提唱している『成功の循環モデル』というものがあります。多くの企業を検証した結果、成功している企業は『関係の質』が高いところであるといいます。
よくありがちな『売り上げを上げろ』『利益を出せ』と結果だけを求めて、社員の尻を叩くパターンですが、こうしたやり方では、一時的に結果を出せることがあったとしても、社員は『やらされ感』でやっているので、自ら主体的に考え、行動しようとしないので、業績にはなかなか結び付かず、社内の空気も悪くなって悪循環に陥る、いわゆる『バッド・サイクル』になってしまっている会社が多いことです。
成功するためには、遠回りのようですが、『関係の質』を高めることから始めることです。『関係の質』とは、社員と幹部、社員同士がお互いを尊重し、信頼関係で結ばれていて、お互いに建設的な意見が交わされているようなチームのことを言っています。
『関係の質』が高いと『思考の質』『行動の質』も高まり、主体的に考え行動するようになり、その結果、業績も上がる、いわゆる『グッド・サイクル』が回り出します。
そして、この『関係の質』『思考の質』を高めるうえで不可欠となっているのが『コーチング』です。
社員一人ひとりの主体性を引き出し、自ら考え行動する自律型の人材を育成することを目的としています。リーダーやマネージャー自身が、コーチングの考え方やコーチングスキルを身につけて社内で展開できる『社内コーチ』を育成することで、安心・安全な場づくりや、新たな組織文化の構築にも効果を発揮しています。
日本国内では2012年頃より、大企業を中心に上司が部下と定期的に面談する『1on1ミーティング』が導入されてきていますが、従来から行われている目標管理や進捗管理のための面談ではなく、メンバー・部下の成長支援を目的にしているところに大きな特徴があります。そしてこの『1on1ミーティング』を効果的に実施していくうえでも、リーダー、マネージャーがコーチングの考え方やスキルを学ぶことが必要です。」
価値観が多様化している現在、一人ひとりの社員と向き合っていくことが何より大切です。
あなたの組織でもコーチング研修を導入しませんか?